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風立ちぬ [映画&ドラマ&舞台&本]

宮崎駿監督の「風立ちぬ」を見てきました。
想像以上に大人な映画だったですが、冒頭主人公の妹が階段をかけ上がるシーンだけで涙が出てしまった。
映像の美しさに、あ~、宮崎アニメを見に来たんだなあと感涙してしまったのです。
実在の零戦の設計技師堀越二郎さんをモデルに同時代を生きた作家の堀辰雄さんの生涯を絡ませたストーリーながら、戦闘シーンはありません。
度々出現する夢の中の強い風が立つ草原と、イタリアの設計技師カプローニとの語らいが主人公の心情を顕していました。
ただ、ただ飛行機が好き、風のように飛ぶ飛行機を作りたいという一心で邁進した主人公。
大好きな仕事に没頭できる環境が眼前にあり毎日が充実している。
一方で、将来が望めないものの押さえきれない感情をおもむくままに貫き通す切ない恋が。

その行く末に主人公が見たもの。

ここからはネタバレになるのかな

IMGP9588.jpg
PENTAX K7+FISH-EYE 10-17mmF3.5-4.5ED[IF] 映画とは関係ありません。私独断のイメージです^^;
それは初めてカプローニと語らった美しい草原に重なり合う零戦の夥しい残骸。
でも、その向こう側にはやはり美しい草原そのままに風がなびいている。
地獄かと思った。

その結末が天国のように美しくても、地獄のように悲惨でも、
それはとてもキラキラと美しく目に写った同じ場所であり、同じ出発点だった。
そこで身も心もボロボロになり立ち止まってしまったとき、大事なことは、それからをどう生きるか。
そんなことはわかっている・・・どう生きりゃあいいのさ。

生きてください。
風の中で主人公に語りかける菜穂子の言葉。
生きねばならない。力を尽くして。
健気に、そして潔く生き抜いて命を散らした菜穂子の言葉だからこそ、彼は力強く答えることができたに違いない。
はい、生きます。

初志貫徹って難しい。最初は格好良くても惑わされて途中でグダグダになっちゃって、説明のしようもない状況に置かれてしまう。
しかも地獄の入口であるのにも拘わらず、自分の好きなことに熱中できたあの頃に戻りたいとさえ思ってしまう矛盾。
そう、人生は矛盾に満ちているのだ。

風立ちぬの登場人物はその矛盾の中で、みんな一生懸命に生きたと思う。だから感動できるのです。

エンドロールに流れる、松任谷(荒井)由実さんのひこうき雲は切なさの極みで立ち上がれませんでしたわ。

で、風立ちぬを見る以前に3回も見てしまった映画があるわけでして・・・つづく
nice!(7)  コメント(5) 

nice! 7

コメント 5

ハッキネン

私も風立ちぬ見ましたよ〜
詳しくは書きませんが、いい映画でした( ´ ▽ ` )ノ
by ハッキネン (2013-08-01 20:49) 

えね

ハッキネンさん、ジブリにしてはドキッとするようなシーンもあって大人な映画でしたね^^
賛否両論あるようですが、私も良い映画だと思いました。
by えね (2013-08-01 23:30) 

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