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原田康子さん追悼 [その日のできごと]

釧路で育ち、釧路を舞台にした「挽歌」などの小説で著名な原田康子さんが20日亡くなりました。
新聞には「日本のサガン」と称されていました。
確かに少女期にある残酷な一面を描いている点で共通したものがあるかもしれません。
文学少女を気取っていた頃、「悲しみよこんにちは」とか「ある微笑」を何度も読んでいた記憶があります。
ただ、自らも奔放な人生を歩んだサガンに対し、病で体重が激減する中、長編を書くための体力回復を図っていたというほど文学に情熱を注いだ原田康子さんは全く異なる生涯であったと思われます。

原田康子さんの作品は映画の方から先に入って小説を読みました。
「挽歌」は久我美子さん主演のものが有名みたいですけど私は秋吉久美子さん主演のものです。
シラケ世代の代表として人気を博していて憧れたものです。
ロケで使われた喫茶店とか、挽歌の名残は随分なくなってしまったと思いますが、
その比較をしてみるためにももう一度見たくなりました。

挽歌の碑は幣舞公園にありますが、川湯温泉も登場するのでそこにも建てられていました。
川湯温泉はサビタも多いし、全編舞台になっている「サビタの記憶」も印象深いです。
今年の夏はこの本を車の傍らに置き、白く群れるサビタの通りを走ったのでした。
R0018108.jpg
川湯遊歩道の挽歌の碑

わたしはゆっくり温泉町
の通りを歩きだした。
日射しの強くなりかけた
火山灰の通りに、硫黄
の噎せるような濃い匂い
がただよい、修学旅行の
少女たちが白い花片のよ
うに群れていた。
IMGP6240.jpg
川湯あし湯辺りのサビタ

※肝心の幣舞公園の挽歌の碑の写真がどうしても見つかりませんので後日撮影してきたいと思います。



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コメント 10

なもにぃ

釧路で育ち今の地に居る私ですが
釧路って栄えた時期もあるんですが
なぜかどこか寂しさとか なんとも言いがたい物がある街に思えます。
その分 自分にとって大きすぎるほどの田舎でいられるんですけど。

やはりそんな町では(から) 生まれ出る文学者とか多いですよね
by なもにぃ (2009-10-24 02:31) 

あおい君と佐藤君と宗男議員

日本のサガンですか。
ご冥福をお祈りいたします。

by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2009-10-24 20:28) 

mamitan

なもにぃさん、こんばんは^^
厳しい環境から生まれる文学というのは心に強く訴える
ものがあるかもしれませんね。
大作も多いと思います。
釧路出身の漫画家も少なくないようですし、芸術面で
新星が現れれば良いんですが。
by mamitan (2009-10-24 22:26) 

mamitan

宗男さん、こんばんは^^
釧路でも、サガンも原田康子さんも知る人は高齢化が進んでいるようで^^;
これからいろいろ追悼の動きがあると思うのでもっと知ってほしいなあと
思います。
by mamitan (2009-10-24 22:32) 

八犬伝

原田康子さんは、釧路の人にとって格別な存在なのでしょうね。
「挽歌」
私も秋吉久美子版で見ました。

ご冥福をお祈りします!
by 八犬伝 (2009-10-25 17:39) 

mamitan

八犬伝さん、こんにちは^^
釧路のことを世に広めてくれた大きな存在のはずなのに
わずか76日しかいなかった啄木より知名度が低いように
思えます。
挽歌、見ている人多くないのかなと思いましたが
そうですか^^秋吉久美子さんも話題の女優さんでしたからね^^

by mamitan (2009-10-26 12:46) 

keykun

こんにちは。^^
ネットブック環境で・・・訪問が抜け落ちてしまいました。^^;;
報道によると・・記憶が正しければ~
慎太郎の太陽の季節が、10万部。
挽歌が70万部?でしたか。遥かに読まれた作品だそうですね。^^
今読み返しても新鮮な作品です。ご冥福をお祈りいたします。
by keykun (2009-10-27 16:06) 

mamitan

keykunさん、こんにちは^^
映画のインパクトが強いせいか太陽の季節の方が
売れたイメージがありました。
太陽の季節といえば、先日亡くなられた南田洋子さんが
ご主人の長門裕之さんと出会った作品だそうですね。
by mamitan (2009-10-29 12:34) 

とっしー

まだ釧路に行ったことのない時期にこの小説を読みました。
今ほど北海道好きではなかったころです。

まだ青い年齢でしたので、内容もあまり理解できていなかったのですが、あとになって再度読み返し、あっ!こんな内容だったんだと思ったのを覚えています。
当時の釧路の様子がよくわかりますね。
狩勝峠を越える汽車内の描写が印象に残っています。

数年前、幣舞橋そばの文学碑に立ち寄ってきました。
同行していた娘は全く知らなかったようす、わりあい文学少女だと思っていたのですが・・・。
by とっしー (2009-10-30 20:28) 

mamitan

とっしーさん、こんばんは^^
年を重ねて読み返すと見えなかったものが見えてきたり
理解できたり。
共感できる部分も違ってきたりしますよね。
若いときに読んで心に残るものもまたそのときにしか
得られない大切なことだと思うので
娘さんにもよりたくさんの本を読んでほしいですね^^
by mamitan (2009-10-30 22:33) 

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